ALPACA実験

地下ミューオン観測装置

空気シャワー観測装置だけでは観測した空気シャワーの元が宇宙線なのか、ガンマ線なのか、 また、宇宙線の場合は原子核の種類を知ることはできません。
宇宙線の作る空気シャワーはミューオンという素粒子を含み、 ガンマ線の作る空気シャワーはミューオンをほとんど含まないという性質があります。 ミューオンのみに感度がある検出器を併設して、ミューオン数の少ない空気シャワー、 すなわち元がガンマ線の可能性が高い空気シャワーを選別することで、 ガンマ線に対する感度が飛躍的に向上します。 我々はALPACA空気シャワー観測装置の地下に約5,400 m2のミューオン観測装置を設置する予定です。 空気シャワー粒子のほとんどを占める電子・陽電子・光子はミューオン観測装置の上の土で 吸収されてしまいますが、ミューオンは土を通過するので、この装置は空気シャワー中の ミューオンのみに感度を持ちます。

AS+MD

ALPACA実験の観測装置配置予定図。灰色の正方形が地下ミューオン観測装置。 一つの正方形が56 m2の水チェレンコフ型粒子検出器で12個で1プールを構成し、 全部で8個のプールを設置する予定。



Tibet MD

水チェレンコフ型粒子検出器のイメージ。写真はTibet ASγグループの水チェレンコフ型粒子検出器の内部。 水槽になっていて観測時は真っ暗である。ミューオンが水中を通過するときにチェレンコフ光と呼ばれる 微かな光を出す。その光を天井から吊した直径50 cmの光電子増倍管で検出する。 水槽の大きさは 7.2 m × 7.2 m × 水深1.5 m。天井の上には厚さ 2.5 m の土が載っている。
Image Credit: Institute for Cosmic Ray Research, University of Tokyo

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